【受験生にも読んで欲しい】『受験』が終わったあとのオススメ書籍#1

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こんにちは。ライレイレイン オフィシャル の ちひろ です。今日は,受験生だけではなく大学生以上の人にも読んでほしいオススメ書籍を紹介します。

とくに『受験が終わったみなさん』から『大学生になる前に読む本って何かありますか?』という質問もよく受けますね。

多くの人が「大学入学前は暇になる」などと思うんですけど,じつは思ったほど時間はありません。

  • 部屋の片付けをしたり,友人と遊びに出かけたりしていると,知らないうちに1日が終わります。
  • 実家を離れる人で『下宿先を探す&引っ越す』作業などがある場合は,あっとう間に大学が始まります。

なので,今回は,『大学生になる前』に限定はせず,『大学生のうちに読んでおいたらいいじゃない?』,『こんなんどうでしょう?』という提案をしたいと思います。

紹介するのは3系統です。

  • 英語系
  • 国語系
  • 数学系

■ 英語系

英語系に関しては大きく『3つ』に分かれます。

  • 受験英語に苦手意識があった人
  • 趣味的にやりたい!+ TOEFL・TOEICなどをやる!という人
  • 受験英語は得意で,英語・語学・歴史に興味があるという人
  • 英語はわかるけど,難しい英文になるとなんとなくになってしまう人(▼帰国子女の人とかも含まれます)

一応上記のように3つに分けましたが,じつは大学入学に関して言えば, やることはあまり変わらないと思います。つまり,大学に入ってしまうと,個々の状況に応じて必要となるものが変わるからです。

受験英語が苦手であろうと得意であろうと,TOEIC・TOEFL・IELTS・英検・ケンブリッジ英検などを受験しなくてはならない学生もいるでしょうし,なかには他の外国語がメインになって英語はあまり使わなくなる人もいるでしょう。

それでも一応アドバイスをするなら・・・

● 受験英語が苦手だった人は…

タタールのくびきМонголо-татарское игоとも言える『受験』が終わって『焦り』や『心配』,『不安』から解放されることで勉強がはかどる,という受験生もいます。

だから,とくに受験が終わったみんさんは,3月の間は受験生のときに時間がなくて読めなかった難しい内容を扱う参考書に挑戦してみるといいですよ。

しかも,『英文解釈教室』に関しては研究社のホームページに『解説サイト』ができました。ぜひGoogleで検索してみてください。➡︎『英文解釈教室・改訂版』ノート 1 | 研究社 WEB マガジン

こちらの記事をぜひお読みください ➡︎ 英文解釈リンク >

● 趣味的にやりたい人??

いまこれらは先生たちが読むことの方が多いでしょうか。しかし,以前MEPLO(メプロ)で教えているときに,年度は違いましたが,数人の高1生から「『英文解釈教室』と『英文読解の透視図』が終わったのでどうしましょう?」という質問がありました。「全国1桁順位のやつはこんななのか?」と衝撃を受けました。そのとき紹介したのがこれらの本です。

さすがに『英文解釈考』をやった受験生はいませんでしたが,『思考訓練の場part1, 2』をやった学生はいました。(ついこの間も取り組んでいる学生がいました。本当に優秀。ダンスとファッション,頑張って!)

でも,よっぽど余裕があるなら別ですが,受験生ならば他の科目をがんばった方がいいと思います。

ただ,もうこういうのは嫌!という人もいると思います。そういう人は英検やケンブリッジ英検・TOEFL・IELTSに挑戦してみるといいと思います。

僕は,大学1年生なら『英検』か『ケンブリッジ英検』をやっておいたほうがいいと思います。これは1度合格すれば資格が消えません

主なテストの効力はみな『2年縛り』です。つまり,2年経過するとスコアが消えてしまいます。

それでも留学を考えるならTOEFLなどが必要です。(今後は現地に行くのではなく『ズーム』などで海外の大学に参加するカタチも広まるでしょう。ミネルバ大学みたいなスタイルがスタンダードになっていくと思います。)

★ 受験生も必見!TOEFLトフルなら,まずは五十峰先生のWEBマガジンをお勧めします。

https://www.cieej.or.jp/toefl/webmagazine/ibt-point/

とてもわかりやすく順番に解説がなされています。ぜひ役立ててください。

もし直接の指導を受けたいなら,河合塾グループの『アゴス-K』をオススメします!

TOEICなら次のようなものがいいでしょう。

● 英語・語学・歴史などに興味のある人

敢えてここでじっくりと解説は致しません。これらは僕が講義の際におもに参考にしているものです。

受験英語に携わる先生たちのほぼ全員がすでに読んでいると思います。大西泰斗先生の著作は高校生の時からずーっと読ませていただいております。

また,10年くらい前から『謎解きの英文法シリーズ』や『久保田先生』や『堀田先生』の掲示板やブログをずーっと読んでいます。それから認知言語系でいけば田中茂範先生でしょうか。

地味ですが『詳述集 』シリーズもいいですね。これ,ものすごく細かいんです。著者は一宅仁さんとおっしゃる方です。実務翻訳士というお仕事もされているからなんでしょう。英文法もさることながら,日本語の句読点に関する記述がすごく参考になりました。これ,オススメです。

僕の講義ネタが90%,ココからです。

毎日新しい発見がたくさん。ありすぎます。自分は何も知らないんだな,と毎日うんざりしています。この辺りの知識を,周りの先生たちはみんな持っているのか!?と思うと,マジで勉強不足だわ,自分・・・と凹みます。が,続けるしかないですね。

● 不思議の国のアリス

じつは学生時代から好きで読んでいました。アリスそのものはネットでも読めます。著作権もフリーです。なので,そこで解説本のオススメを2つ挙げます。表紙が好きなんですよね。

■ 国語系と数学系

まずはこれ。

竹内康浩 東大入試至高の国語「第二問」

これ,よく受験生にも講義内で紹介しています。こういう見方,読み方,大事だなと。『死』というものを中心に,東大の現代文を解説しています。最初,『金子みすゞ』を取り上げて解説していきます。200字作文の問題です。最初のところ,ちょっとだけ触れれば,「じゃんけん構造」「全員がクロ」「そこにいるだけで罪」。

これ重要だよね・・・ だから,私たちは「気にしなきゃいけない」し,「気にしなくてもよい」。このバランス。受験以上の視点を獲得できます。ぜひ,『受験生』も『受験を終えた人』も『大学生・社会人』の人にも読んで欲しい本です。

僕は,現代文や小論文は担当してはいませんが,現代文や小論文の勉強は英語長文の勉強につながります。とくにMEPLO(メプロ)では絶対に読んで!と紹介していましたね。

ちなみに,この竹内康浩氏はこの本が出版された2008年当時は北海道大学大学院文学研究科准教授の先生で,東京大学文学部の阿部公彦先生と同期なのだそうです。阿部先生の書評が次のサイトから読めます。必読。

https://booklog.kinokuniya.co.jp/abe/archives/2008/08/post_27.html

橋本治 桃尻語訳 枕草子

私,この本で古文が好きになりました。賛否両論かと思いますが,中3のときだったかハードカバーのものを読んでいました。いまは文庫本で読めます。

昔でいう『女子大生言葉』,ちょっと前で言う『女子高生ことば』,最近で言う『EXIT的コトバ』とでもいいましょうか。そんな観点で枕草子を読んでみよう,というコンセプトです。間にある古文常識的な話はとても役に立ちます。橋本治は2019年に70歳で亡くなりました。うーむ。歳を取ると見送る人の数が増えるわけですが,なんとも。。。残念。。。

・文学作品全般

さて,『全般』とはどういうことか?と申しますと,『受験生』って,『国語』の勉強のなかで『文学史』を覚えたり,『歴史』の勉強の中で『文化史』を覚えたりするじゃないですか。

せっかく知識を入れたのに,結局名前だけでおわっちゃうんですよね。『伽藍配置』って覚えても見にいくことは少ないし,メーテルリンク『青い鳥』って覚えても読まないし・・・いつも受験生を見ていてもったいないなって思うんです。

文学部の人でも分野が違うと本当に読まなくなっちゃうので,大学生になる前,大学1年生くらいは『文学全集』系とかを読んでみてもいいんじゃないですかね。乱読でいいです。つーか,最初の数行読んで,興味が湧かなかったら次!みたいな感じでOKだと思います。そこでヒットしたものを深掘りしていけばよい。

10代の時,20代の時,30代の時,40代の時に読み直して『あー』って思うことがやっぱりあると思うんですね。

これ,自分のことなんですが,大学入学前に法学系の岩波新書ばかり読んでいたんですね。大学での勉強を先取りしたかったんです。でも,法学部なら法学系の勉強はたくさんするわけです。大人になると(自分の能力の低さゆえかもしれませんが)『古典的な有名文学作品』って読まなくなるんですよね。ハイパー努力しないと同時代のものばかりになってしまう。そして,それさえも読まなくなり,ぼーっとYouTube見て終了。。。的なね。

でも世の中の多くのものが古典的な作品を下敷きにしていたりするんですよね。

先日教え子の学生から「『崖の上のポニョ』は夏目漱石の『門』が下敷きになっているんですよ」と教わってびっくりしました。「崖の下の宗助」ね。(夏目を古典というのか?みたいな問題は別としましょう。読んだことがあったにもかかわらず,何も自分の中で結びついていなかったことが『ぼーっと生きているだけだな,自分』と思ったという話です。)

余談:最近はとにもかくにもできる限りKindle版を購入しているわけですが,同時に『紙』が自分にとってどういう『装置』だったのか?と考えるようになりました。毎日鞄に10冊程度の本を入れて,数ページ読んで飽きたら次,みたいなことをやっていた時期がありましたが,あの鞄の重さ,本の分厚さ・薄さ,装丁(ってレベルじゃなかったけど),いろんなファクターによって『読書に集中』しやすくなっていたように思います。僕はいまKindleをipadで読んでいますが,どんな大作もライトなものも全部『同じ重さ』,『同じ大きさ』,『同じ質感』なんですよね。うむ。もはや『片手で本をめくる』というのはartのレベルなんでしょうかね。

・中内伸光 『論理の練習帳』 『ろんりと集合

次はこれです。

これは,私は28歳くらいの時に初めて知った本です。逆裏対偶というのは長文の選択肢を検討するときにも必要な発想だったりします。私が浪人生のとき,そうやって解説する先生がいました。

『数学の基礎体力をつけるための ろんりの練習帳』というタイトルです。筆者の中内伸光氏は2002年当時山口大学理学部の先生で,講義原稿をもとに作成されたもののようです。

一番最初のページから『なるほど』と思う方も多いのではないかしら。

ろんりの練習(その1)

「食べると太る」んだから,「たべなけりゃ太らない」さ.あなたは上の主張が論理的に正しいと思いますか。

正しいと思う → 第1章へ進む。

正しくない → 念のため第1章から始める。

よくわからない → 迷うことなく第1章へ進む。

中内伸光. 数学の基礎体力をつけるための論理の練習帳. 東京, 共立出版株式会社, 2002, ISBN4-320-01700-5

答えはのちほど。(一番下にあります)

正直,私は最初の方で挫折しています。時折,読んでは寝落ちしてます。もう何回繰り返しているやら・・・でも,解りたいんですよね,この世界・・・

第0章 数学を勉強していくための心得

0.1 用語はなるべく英語を使った方が良い

0.2 忍耐が必要である

0.3 わかっているつもりの,大いなる錯覚

ろんりの練習(その1)

第1章

1.1 命題

1.2 否定

1.3 論理積

1.4 論理和

<<ちょっと休憩>> 形式論理学と弁証法的論理学

1.5 同値

1.6 ド・モルガンの法則

<<ちょっと休憩>> 2変数論理関数の話

1.7 恒真命題と恒偽命題

1.8 条件命題

1.9 逆と対偶

1.10 含意と同値

<<ちょっと休憩>> 論理パズル

1.11 証明の構造

1.12 演習問題

ろんりの練習(その2)

第2章 述語論理

2.1 命題関数

2.2 全称命題

2.3 全称命題関数

2.4 存在命題

2.5 存在命題関数

2.6 全称と存在の順序

2.7 全称・存在の否定

<<ちょっと休憩>> 様相論理学

2.8 実践例 ―― ε-δ論法

      (1)数列の極限

      (2)関数の連続性

2.9 演習問題しゅうごうの練習

第3章

3.1 集合

<<ちょっと休憩>> 空集合

3.2 写像

3.3 濃度のはなし

<<ちょっと休憩>> 

3.4 演習問題付録演習問題の略解

公式集

おまけ:Q and A

索引

中内伸光. 数学の基礎体力をつけるための論理の練習帳. 東京, 共立出版株式会社, 2002, ISBN4-320-01700-5

『ろんりと集合』も中内先生の著書となります。

本書は,雑誌『数学セミナー』の2006年4月号から2007年4月号まで「ろんりと集合」というタイトルで連載されたものです。

中内伸光. ろんりと集合. 東京, 日本評論社, 2009, ISBN978-4-535-78641-7

こちらも目次を載せます。数学が好きな人はぜひ参考に。私はもう限界です。

まえがき

本書の概観図

注意書き

第1章    正しいか正しくないか,それが命題だ

第2章    真理表を書きたくない心理

第3章    変形の七つ道具

第4章    明日は天気か,天気でないか

第5章    「もし」は言わない約束では

第6章    命題だけがすべてじゃないさ

第7章    すべてを否定するのか

第8章    集めりゃいいってもんじゃない

第9章    集合にも論理がなくっちゃ

第10章  合わせれば全体になることもある

第11章  対応に追われています。

第12章  返せるのは一対一のときだけ

練習問題の解答

公式集

索引

中内伸光. ろんりと集合. 東京, 日本評論社, 2009, ISBN978-4-535-78641-7

ぜひ挑戦してみてください。

で,さきほどの解答です。

(答)正しくない. 「食べる」という命題をpとし,「太る」という命題をqとすると,「食べると太る」はp → qで,「食べなければ太らない」は ¬p → ¬qとなる.  p → q から ¬p → ¬q は一般には導かれない.(真理表を書いてみればわかる.)詳しくは,第1章を見てください. 

中内伸光. 数学の基礎体力をつけるための論理の練習帳. 東京, 共立出版株式会社, 2002, ISBN4-320-01700-5

本当は『社会学』などの本を多く紹介したかったんですが,話が広がり過ぎちゃいますので,今日はここまでと禁欲します!また別の機会に!

今日はここまでです!

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