【Fで始まるお金】fine / fare / fee【語源で解決!】
こんにちは。ライレイレイン オフィシャル の ちひろ です。
fine / fare / fee 。これらの単語も同じようにしか見えませんね。fine の意味・fare の意味・fee の意味,区別できないですよね。
「確かにいっぱい例文もあって頭イイ人は分かるんだろうけど,結局わかんないし,まぁいっか。」
これがほとんどの受験生の気持ちですよね。
- 「まぁいっか」 その一言が 「もう一年」
- 「めんどくさ」 その一言が 「浪人生」
でも,fine も fare も fee も語源を参考にして,連想のきっかけ,記憶のフックを増やせば,それほど難しいわけではありません。
ポイントは3つです。
- fine は「最後」
- fare は「旅行」
- fee は「封建制」
それでは,fine / fare / fee それぞれ順番に解説していきます。
fine は語源「最後」がヒント
fine には意外な意味があると言われます。
名詞「罰金」,他動詞「Oに罰金を科す」
でも,これ,fine の語源,ラテン語の finis(end)「最後」を知るとそれほど意外ではありません
覚え方として “楽ちん” なのは以下のようなものでしょう。
- 「最後」→「完成」→「素晴らしい」→「細かい」
- 「最後」→「決着」→「罰金」
もとの意味は conclusion「決着」だそうですね。
Middle English: from Old French fin ‘end, payment’, from Latin finis ‘end’ (in medieval Latin denoting a sum paid on settling a lawsuit). The original sense was ‘conclusion’ (surviving in the phrase in fine); also used in the medieval Latin sense, the word came to denote a penalty of any kind, later specifically a monetary penalty.
New Oxford American Dictionary, 2019, OUP
ちなみに,finance「財政,財源,資金」の語源は「借金を返済すること」。もうわかりしたね!そうです!これもラテン語の finis から来ているんですね。
ちなみに,finance のアクセントは第1音節にくるのが普通ようです。米国では87%,英国では81%。
さらに,financial の発音ですが,英国では /ファイ/ と発音するのが79%。しかも若い人ほど/ファイ/と発音する傾向があるようです。(Wells, J C. ed. Longman Pronunciation Dictionary. 3rd ed. Harlow: Pearson Education, 2008.)
fare は語源「旅行」がヒント
fareは「運賃」という意味の名詞です。動詞 fare – fared – fared もありますが,こちらはあまり見かけません。
fare の語源は faran(to go, to travel)なんですね。
Old English fær, faru ‘traveling, a journey or expedition’, faran ‘to travel’, also ‘get on (well or badly’), of Germanic origin …
New Oxford American Dictionary, 2019, OUP
さらに,この faran という語と関連がつよいのが ferry「フェリー」ですね。
移動にかかるお金 fare「運賃」と考えると覚えやすいですね。
fee は語源「財産,封建」がヒント
「fee にはたくさん意味があって覚えられない」という質問をよく受けましたし,私自身も高1のとき「なんじゃこりゃ」って思っていました。
From Middle English fee, fe, feh, feoh, from 古期英語 feoh (“cattle, property, wealth, money, payment, tribute, fee”) and …
Wiktionary 英語版
Middle English: from an Anglo-Norman French variant of Old French feu, fief, from medieval Latin feodum, feudum, ultimately of Germanic origin.
New Oxford American Dictionary, 2019, OUP
どうやら本来は「財産;領土」という意味のようですね。
- 「財産」→ 「土地」→「領土」
このイメージは湧きやすいですよね。
しかし,受験生がイメージしやすいのは,いまの英語でも使っている feudal「領土の;封建(制)の」ではないしょうか。manor「荘園」(こちらは「大邸宅」mansion と関連があります)でもいいですね。
- 「領土(manor「荘園」)」→ 「手数料;入場料」→ さらに「診察料;報酬;授業料」など
これは,語源からは少し外れますが,「ある領域に入るときに払うお金」と考えると覚えやすいと思います。つまり,次のように考えるということです。
- 「領土」を使用する「手数料」
- 「領土」に入る「入場料」(admission だけでもOK)
- お医者さんの「領土」に入る際に払うお金「診察料」
- 弁護士などの「領土」に入る際に払うお金「報酬」
- 先生などの「領土」に入る際に払うお金「授業料」など
こんなふうに考えると,いろいろな意味を一度に覚えられるようになります。正確で細かい知識はぜひ大学で勉強してみて下さい。
繰り返しますが,受験生自身はあまり語源にこだわらない方がいいと思います。私はこだわってしまって語源辞典を買ったりしましたが,理解することに感動するだけで,ちっとも覚えようとしなかったんです。結局,語源というものも,試験を控える受験生にとっては,「暗記」するためのツールに過ぎないわけです。
個人的な見解ですが,高校生の時などの向学心溢れる時期に,好きなものが好きなだけ勉強できる時代になるとよいと思います。まぁ,いろいろ考え方があるし,私もいろいろ思うことはありますが,自分の意見というのは講義内容で示すものだと思いますので,このへんまでとしておきましょう。
ちなみに…
余裕のある人はこれらも合わせて覚えてしまいましょう。
- charge「(サービスに対する)代金」
- cost「費用・経費」
- interest「利子」
- rent「賃料」
- toll「(道路や橋の)通行料」
まずは音でしっかり覚えましょう。気になる人は自分で例文を探してみるといいですよ。
単語などが覚えられないときは,例文や語源をメモしていくといいですね。
たまに無理して単語帳の例文を全部チェックしている人がいますが,それはやらなくていいです。他の科目の勉強時間に影響します。またこれも別の機会に話しましょう。
他の単語たちについて
-ee- の単語たちです。これも一気にまとめて覚えましょう。
feel /フィール/ /fiːl/ | felt /フェルト/ /felt/ | felt /フェルト/ /felt/ | feeling | Oを感じる |
kneel /ニール/ /niːl/ | knelt /ネルト/ /nélt/ kneeled /ニールド/ /niːld/ | knelt /ネルト/ /nélt/ kneeled /ニールド/ /niːld/ | kneeling | 跪く(ひざまずく) |
keep /キープ/ /kiːp/ | kept /ケプト/ /kept/ | kept /ケプト/ /kept/ | keeping | Oを保つ |
creep /クリープ/ /kriːp/ | crept /クレプト/ /krept/ | crept /クレプト/ /krept/ | creeping | 這って進む |
sleep /スリープ/ /sliːp/ | slept /スレプト/ /slept/ | slept /スレプト/ /slept/ | sleeping | 眠る |
cf. spell /スペル/ /spel/ | spelt /スペルト/ /spelt/ spelled /スペルド/ /speld/ | spelt /スペルト/ /spelt/ spelled /スペルド/ /speld/ | spelling | つづる |
weep /ウィープ/ /wiːp/ | wept /ウェプト/ /wept/ | wept /ウェプト/ /wept/ | weeping | しくしく泣く |
sweep /スウィープ/ /swiːp/ | swept /スウェプト/ /swept/ | swept /スウェプト/ /swept/ | sweeping | Oを掃く,広まる |
次は leave つながりです。
leave /リーヴ/ /liːv/ | left /レフト/ /left/ | left /レフト/ /left/ | leaving | Oを去る 出発する |
cleave /クリーヴ/ /kliːv/ | cleft /クレフト/ /kleft/ clove /クロゥヴ/ /kloʊv/ cleaved /クリーヴド/ /kliːvd/ | cleft /クレフト/ /kleft/ cloven /クロゥヴン/ /klóʊvn/ cleaved /クリーヴド/ /kliːvd/ | cleaving | Oを割る,裂く (crack; nutcracker / walnut) |
cleave /クリーヴ/ /kliːv/ | clave /クレイヴ/ /kleɪv/ cleaved /クリーヴド/ /kliːvd/ | cleaved /クリーヴド/ /kliːvd/ | cleaving | ぴったりくっつく 固守する(to) |
cleave は意味だけがわかれば,まずは十分です。焦る必要はありません。
最後に,ea と ee です。
lead /リード/ /liːd/ | led /レッド/ /led/ | led /レッド/ /led/ | leading | Oを導く |
read /リード/ /riːd/ | read /レッド/ /red/ | read /レッド/ /red/ | reading | Oを読む |
bleed /ブリード/ /bliːd/ | bled /ブレッド/ /bled/ | bled /ブレッド/ /bled/ | bleeding | 出血する |
breed /ブリード/ /briːd/ | bred /ブレッド/ /bred/ | bred /ブレッド/ /bred/ | breeding | 育てる |
meet /ミート/ /miːt/ | met /メット/ /met/ | met /メット/ /met/ | meeting | Oに会う, 出迎える |
feed /フィード/ /fiːd/ | fed /フェッド/ /fed/ | fed /フェッド/ /fed/ | feeding | えさを与える, 養う |
flee /フリー/ /fliː/ | fled /フレッド/ /fled/ | fled /フレッド/ /fled/ | fleeing | 逃げる, Oから逃げる |
lead, read は ea ですが,bleed, breed は ee であるところに注意。
flee は「逃げる」という意味ですが,新聞などで見かけるかな。CRIMINAL FLED「犯人,逃走」といような意味です。本当なら,ここから 過去形 と 過去分詞,過去分詞 と 現在分詞 の意味の違い(完了体,不完了体的違い)を説明したいのですが,それはまた別の機会に。
最後に…
問題を解いてみてください。