【原因判明】文法4択式問題集,何度やっても出来ない理由は…
1回目(1)×(2)勘で○(3)×(4)○
2回目(1)×(2)勘で○(3)×(4)○
3回目(1)×(2)勘で○(3)×(4)○
また同じ問題を間違えてる。ぜんぜん進歩してない・・・
この問題集,合ってないわ。もっとイイ問題集ないのかな?
ありません。別の問題集に変えても同じことになります。
理由は…
➡︎ 覚えていないから。
多くの受験生は『暗記』という面倒な作業を避けたいがために『理解』という,響きの良い言葉に飛びつきます。
補足:『身につける』という文脈ではいろいろ批判もあるでしょうが,『暗記』という文脈ではクラッシェン的『習得』(無意識的経験的なもので訓練的な要素があるにしろ無意識的なプロセス)は『毎日の習慣』や『好き』という“好み”が大きく影響するように思います。 『暗記できる/できない』という問題は,最終的には『覚えたいという意志』が解決の鍵なわけですね。僕が直感的に思う鍵は『カッコイイ』と『おもしろい』。僕が爆発的に勉強しようと思ったのは『カッコイイ先生』たちに出会った時です。やはり宮台的『ミーメーシス』は重要で必要なファクターでしょう。自動性の3ルート:模倣ルート・特性ルート・目標ルート(豊田)というのも関係するのかもしれません。詳しい方がいらしたら教えて欲しいです。
さて,話を戻しましょう。もちろん理解は大事です。きちっと理屈や論理が解説されていることはとても重要です。私も同じ意見です。
でも!でも,それ,分野によるんです。動詞の語法などは理解して満足してもダメなんです。現実を直視しましょう。語法問題だけではなく,発音・アクセントの問題も,ほぼ暗記の確認問題ですよね。
ここが,偏差値60前後で止まるか?大きく超えていくか?の分かれ道です。
質問に来た学生に,僕がいつも聞く質問。みなさん,だいぶ聞かれましたよね。
- inform の語法が言えますか?
- 人を主語に取らない(ことが多い)形容詞にはどんなものがありましたか?
『4択で選べる』は最低ラインの知識です。とくに語法系の問題では選択肢をヒントにしてしまいがちですよね。
ヒントなしに出てくるようにしなければ,エッセイライティング・作文で使えません。
もちろん暗記では対応できず,理屈から攻めるものもあります。早慶上智や国公立などのしっかりと作り込んだ問題を出す大学では理屈から攻める戦い方はもちろん必要になります。
でも,『inform の知識がないのに,inform を使って理屈から攻める』なんてこと,できますか?
昔のセンター試験でもありました。暗記だけで解こうとすると間違える問題。よく考えられていました。しかし,それは受験勉強が順調に進んだ人が悩む話。そういう問題はそもそも致命的になる問題数ではないし,もっと先にやるべきことがあるはずです。
まとめ
『暗記』っていう作業が抜けているから,結果はほとんど変わらないはず。
最後にFAQです。これ,以前も記事を書きましたが,再度書きます。
Q でも,どうしたらいいの?その暗記ができないから苦労しているんだけど・・・
A やはり『音読』です。『音』で覚えましょう。
カラオケに行くときに歌詞カードを見ながら,歌詞をうつしながら覚える人,いますか?いないですよね。(もし写しているなら,よっぽど『詞』を噛みしめたいときですよね。)
Q たくさんあって終わりません・・・
A 1項目でよいです。1個でOK!
まずは絞りましょう。欲張ってもどうせ全部忘れます。
何度も繰り返しますが,デキる人はどんどん進めましょう!でも,ALL or Nothingではダメです!「全部やれないなら,もう全部やらない!」これじゃダメです。それ,単なる『イイワケ』です
Q 何回やればいいですか?
A 『人』によります!
このような質問,よく出てきますね。気持ちはわかるんですけど・・・それも『人』によります。単語帳の質問でもよくでてきますよね。
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ちょっと厳しく言いますけど,実際のところ,これ質問じゃないんですよね。『2~3回でいいよ』とかって言って欲しいだけっていう人が多いんですよね。
じゃあ『53回ですね』って言われて,はい!ってなりますか?ならないですよね。結局,じぶんにとって都合の良い数字を言って欲しいだけ』というメンタルだったりします。
この質問がすぐに『パッ』と浮かんでしまう人!『思考停止』に陥っている危険な状態ですよ!
具体的な数字を言ってもあまり意味がないと思いませんか?じゃあ,僕がここで『100周やりましょう』って言ったら,喜んでやりますか?
多分,多く人は『2,3周でよいよ』って言って欲しいんですよね。『1回』だと直感的に『無理』『絶対足りない』ってのはわかる。でも『たくさんは嫌だ』。
まずはこのループから抜け出すことです。
答えは簡単です。『繰り返す回数はあなた次第』。
どれだけ勉強が嫌いな人でも『1000個のうち1個はなぜか知らないけど覚えられる』ものもあるわけです。
数千人の質問を受けてきた経験から思うのは,「『個性』がすごく影響する」ということです。当たり前のことですが。。。
『一部の内容や項目』は『読んでいるだけ』で覚えられたりします。もちろん,1つも覚えられないという場合もあります。
- Aさんには覚えられるけど,Bさんには覚えられない単語がある。
- Aさんには覚えられないけど,Bさんには覚えられる単語がある。
これは『個性』です。
ということは,『勉強における暗記』というのはこの『個性』を超越して覚えなければならないのです。
注意:こういう勉強自体が『最適かどうか』という問題はここでは考えません。あくまで2020年段階における受験勉強に対する話です。今後は,無理な暗記などはしなくてもうまくいくような形になるとよいと思っています。
さて,まとめてみましょう。
- まず最初に『個性』で覚えやすいものと覚えにくいものを見つけ出し,
- そこから『覚えにくいものに一気に時間を投下していく』。
こういう戦略が有効なわけです。
『でも,何も分かんない!そうやって突き放されるから出来ないんです!』という悲痛な叫び,よく聞きました。
- 解説を見ながら音読20回。解説を見ないで音読10回。
これを叩き台にしてもらって,『進めていく中』で『自分風にアレンジ』しましょう!
余談1:絶対にコレ!という勉強法はほとんどないと思います。 多かれ少なかれ,自分風にアレンジしていくことが大事です。いきなり完璧な勉強法など見つかりません。「これなら続けられそうだな」という勉強法を,「続けていく中で徐々に自分風にアレンジして,自分なりの勉強法を獲得していく」ことが大事です。
余談2:本当にみんなからの質問を受けてきて良かったなと思います。 予備校講師1年目,2年目のときには「6時間以上休みなく(本当に休まず)質問を受ける」なんてこともありましたが,みんなの質問は本当に財産になっています!ちょっとでも多くの学生の悩みを解消できるよう頑張ります!
余談3:再度『そもそも』論なんですが,『暗記ができない』・『暗記をしたくない』・『勉強が面倒だと思う』理由は何だろう? 僕はやはり「『勉強そのもの自体』=『遊びやゲーム』」だと思います。僕も『アップデートが必要だ』とか言いますけど,『勉強しないと損する』系の言説は避けたいと思っています。 基本的には『知らなくても生きていける』ことが多くあります。 でも,『勉強する』のは『勉強したいから』なんですよね。 「将来○○になりたいから勉強する」は所詮間接的動機だとおもうんですよね。できる人はいいんだけど,多くの人は『にんじん』をぶら下げられても結局は一瞬だけになるし,『褒美のために勉強する』という動機は資本主義的かもしれないけど,早々に限界が来ます。 これ,もっと書いてしまいそうなのでこのあたりで禁欲します。じゃあ,あと一言だけ。 もっと具体的に言えば,「将来医者になりたいから数学を勉強する」じゃなくて「医者になりたいから一生懸命勉強するんだけど,そもそも『数学』という教科が面白いから勉強する」,僕は河合塾に来て16年間,このことを「ノンストレスで学力を上げるコツは『学科への愛』」だと言ってきました。ぜひとも『学科そのものへの愛』を持つようにして欲しいと思います。予備校講師の役目はその一点!だと思います。『科目への愛』は最強です。勉強=遊びになってしまえば,勉強したくて仕方がないんですもの。 いま遊びが楽しいと思っている人,『勉強の楽しさ』を探ってみましたか?『いま楽しいと思っていること』は『本当に楽しい』ですか?惰性でそう思っているのではありませんか?『惰性なんかじゃない!』と心の底から自信を持って言えるなら,それに時間をつぎ込んで突き詰めればOKだと思います。きっとそれがそのまま『天職につながる』可能性も出てきます。
今日はここまでです。