崩れない計画とは?【社会人•大学生+小中高校生も必見】

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今日の一言です。

『受験生は,目標を立てるのではなく,理想を掲げる』

これ,むかしの自分もそうだったんですが,『目標を立てること』自体が目標になってしまってしまうんですね。

今日の結論=提案は3つです。

  • 「長期計画」より『2週間単位』。
  • 「詰め込み」より『予備時間・予備曜日』。
  • 「to doリスト」より『タイムスケジュール』。

大人は言います。「計画を立てろ」,「計画的に」・・・

でも,できません。説教する大人自身もできていません。つまり,ほとんどの人ができていません。私も悪戦苦闘しています。

もちろん『できる人』もいます。しかし,『できない人』の方が圧倒的に多いでしょう。

計画を立ててもうまくいかない受験生,多いですね。『3日坊主』というのもよく言われます。『自分は3日坊主なんで…』。だったら,『3日坊主』を続ければよくないですか?でも,できない。いったい何が原因でしょうか。

  • 『焦り』
  • 『真面目』
  • 『精神安定』
  • 『天邪鬼』
  • 『じつは今の自分を変えたくない。なぜなら,面倒だから』

いろいろな原因が複合しています。最初に,それぞれの問題点を説明し,最後に提案を考えてみます。

それでは,順番に説明していきます。

長期計画ではなく『2週間単位』。

▶︎結論:予測不能なイベントに柔軟に対応するために長期計画ではなく『2週間単位』で計画を立てる。

ほとんどの受験生にとって原則的には『おおまかな長期計画』だけでOKです。

『詳細な長期計画』は不要です。

たとえば国公立大学の医学部が第1志望なら,大まかな学習計画は参考になるでしょう。

中3英語・数学     高1英語・数学     高2数学・理科     高3全科目

しかし,長期計画を細かく作り込むのは非効率的です。

理由は3つです。

  • 『不確定要素が多すぎる』から。
  • 『時間がかかる』から。
  • 『理想を掲げる』から。

1.『不確定な要素が多過ぎる』から。

理由の1つ目。

中学生も高校生も忙しい。失恋するかも・・・体調を崩すかも・・・友人関係がうまくいかなくなるかも・・・ただ眠い・・・ポケモンやりたい・・・などなど学生には『不確定な要素』が多いです。

すぐに予定がずれ込んでいきます。

2.『時間がかかる』から。

理由の2つ目。

長期計画を立てるときに,多くの受験生はすごく時間をかけて完璧な計画を作りたがります。

そのくせ,初日から予定がズレます

10年以上前の話です。ある生徒が夏休みの計画の立て方で相談にきました。

「7時起床」「8時朝食」「8:55トイレ」「9時数学」

8:55トイレ!?!?!?!?

これ,複数の生徒のスケジュールにありました。全員が同じ8:55ではありませんでしたが,トイレ時間を決めていたことに驚き&爆笑しました。最も面白かった&認識を改めるきっかけになりました。

数日後,さきの学生のひとりに出会い,「順調か?」と尋ねたところ,

『起きたらもう昼の12時でした』

えええええええええええ!8:55トイレ,漏らしとるやないかい!

人間はロボットのようにはできません。

3.『理想を掲げる』から。

理由3つ目。

私もそうだったんだけど,計画っていつからか『目標』ではなく『理想』に変わってしまっているんですよね。さらに,『理想の自分を描く』というのが『精神安定剤』的なものにもなりうるんですよね。

そこで提案です。

そこで,提案です。提案は3つあります。

  1. 『2週間の計画を立てる』
  2. 『予備時間・予備曜日を設ける』。
  3. 『タイムスケジュール』。

1. two weeks キャンペーン

これは何度も講演会でも河合塾や河合塾マナビスのYouTubeでも,ズーッと言ってきました。長期計画って学校から示されたり,塾の先生が示してくれたりしますよね。なので,自分で計画をたてるときは『2週間単位』がよいと思います。

学校の定期試験や予備校の模擬試験,民間検定試験のスケジュールなどを合わせるとおおまかに2〜3週間ごとに試験がやってきます。

そうすると修正できるし,身近な目標だから適度な緊張感もあるし,計画を立てる時間も節約できます。

補足1:たしかに,『目標を立てること』が『気持ちを落ち着ける』という“精神安定剤”的な効果をもってしまっている人もいます。しかし,この状況はやはりどこかで脱しなければならないでしょう。周りに相談できる人がいるなら相談して,自分の問題を可視化しましょう。
補足2:次の問題点は「計画は立てたけど,結局どんどん無視する人」ですね。いわゆる天邪鬼ですね。『右』って言われると『左』がよく見えるし,『上』っていわれると『下』が魅力的に見える人のことです。言い換えると『僕』です。(▼私自身,数週間程度の時間ならば信じられないほどに自分を律することはできましたが,無理を続けていたので続きませんでした。そして,計画がズレてきて自分を責めて否定するようになり,最終的に鬱っぽくなっていきました)

こういう人は,残念ながら計画立ててもあんまりウマくいかないんで,「目の前のテスト頑張る!」とか「再来週の模試のために頑張る!」などのように『目の前のイベントごとに頑張る』っていう考え方もありなんではないでしょうか。

2. 詰め込みではなく『予備時間・予備曜日』。

さきほどの『8:55トイレ』もそうですが,みんなが質問にもってくる計画を見ていると,次のような印象を持ちます。

  • 『パンパンに詰め込み過ぎ』

計画が立てられない修学旅行生の『あるある』です。

『秒で移動』

10時浅草。11時東京タワー。12時昼食。13時お台場・・・

移動時間,どないなってんねん!?浅草,もうちょっと見たいな♪ってなったら,どうするの?

勉強も同じです。数学もうちょっと解きたいな♪ってなったら,どうするんですか?

そこで,提案です。

  • 予備時間を設けましょう。
  • 予備曜日を設けましょう。

たとえば・・・

  • 09時〜12時 数学
  • 13時〜15時 予備時間
  • 16時〜19時 英語
  • 21時〜23時 予備時間

たとえば・・・

月曜日〜金曜日は予定を立てる。
土曜日・日曜日は予備の曜日として空けておく

こんなカンジです。もちろん自分風にアレンジしてくださいよ!

でも,こうやって,予備時間を設けると遅れていくことが少なくなります。

しかし,問題が生じることもあります。

主なものは次の2つです。

問題点1:予備時間でも終わらなければ?

  • そこで諦める!だらだら続けない。

もちろん,あと1問で終わるけど!とか,そういうのは臨機応変にやってほしいんですけど,ある程度,ビシッと決めた方がいいです。じゃないと科目のバランスが崩れます。経験上,多くの学生は『得意科目ばかりやる』という傾向が強くなっていきます。

注意:これもその学生の状況によるので決め付けられないんですよね。『自信がないなら得意科目を作る』っていうのはめちゃくちゃ大事だし。

問題点2:順調に終わって,時間が余ったり,予備時間が余ったら?or 予備時間内に終わったら?

  1. 予定を繰り上げてどんどん先に進む
  2. 自分の趣味の時間とかに当てる

予定通り終わったなら,自信を持って遊べばいい!保護者に人も安心させられるでしょ!?

 

3. to doリストではなく『タイムスケジュール』。

to doリスト,今日も終わらなかった・・・今日もサボっちゃったな・・・もっと頑張らなくちゃ・・・などと自信をなくしているという人,いませんか?

これ,受験生だけではなく社会人でも多い悩みですよね。

私自身の経験やいままでの学生たちの相談から思うのですが,to doリストは『多くの人にとってはマイナスの結果になりやすい』のではないでしょうか。

to doリスト=『やるべきことリスト』なんでしょうが,多くの受験生は『やりたいことリスト』になってしまっていると思います。やはり『理想を掲げてしまう』んですね。

『理想的』と思ったら,要注意!

だから,夏休みの計画と同じで,『どんどん,どんどん,どんどん書き出していってしまって,結局消化不良』になる人が多いんです。

で,『終わらない』→『自分を責める』→『やる気をなくす』→『成績が下がる』→

  • 生徒❶『計画を立てて取り戻そうとして無理をする』→(『体調崩す』→)『終わらない』→『自分を責める』→『やる気をなくす』→『成績が下がる』・・・
  • 生徒❷『全部やれないなら,もう全部やらない!』→『すべて無かったことにする』→『成績が下がる』→ 『やる気をなくす』・・・

もちろん色々なパターンがあるんですが,経験上多くの受験生はこの2パターン,あるいはそのバリエーションかなと思います。

もう一度!『理想的』と思ったら,要注意!

・提案

そこで提案です。

  1. to doリストなら『書き出した後に減らす』
  2. to doリストではなく,タイムスケジュールにする

提案1:どうしてもto doリストでやりたいなら,半分 or 1/3に減らす

え!そんなことしたら終わらないよ!そうです。終わりません。みんながみんな,全部を完璧にして受験を迎えるわけではありません。

『きちっと全部やらないといけない!』という真面目すぎる人,要注意です!

『全部覚えて周りを一気に追い抜いてやろう!』と野心に溢れる人,要注意!(=これ,私)

頻出問題からやるんです!昨日出た問題はきっと来週も出ます。来週出た問題は来月も出ます。出た問題から覚えましょう。

みなさん,経験ないですか?

『あ!これ,この間も出たわ。でも,覚えてないわ・・・』

参考書の内容が全部出るわけではありません。参考書の中でも出やすいものがあります!なぜ出やすいかって?受験英語で言えば,実際に英語を使う場面で役立つからですね。

だから,自信をもって『半分以下』に切り捨てましょう。大事なのは『捨てる勇気』『切る勇気』

提案2:1時間ごと or 3時間ごとに目盛りなどが入っている予定表(NOLTY能率手帳やGOODNOTEなどのアプリ)を用いる。

次に,私のオススメです。to doリストではなくてタイムテーブル・タイムスケジュールを作る,ということですね。

実際に『1日の時間』という枠組みにあてはめていきます。そこで重要なのはきちっと『予備時間』『予備曜日』をつくること!

私のお勧めは GoodNotes5 の portrait の weekly planner A です。

上の具体例には昼食・夕食などは書いていませんが,もちろん自分風にアレンジしてください。

コツは3つあります!

コツ1:学校・部活・塾など,固定したスケジュールを最初に書く!

これ1日でもOKですし,あらかじめ1週間書き込んでもいいです。学校や塾やお稽古事など時間が固定されているものは前もって書いておくと,自分のために使える時間が可視化され,いつどうやって準備をしようか?などが考えられるようになります。

コツ2:自分が使える時間が分かる!

あらかじめ固定されている時間を書き込むと,自分の時間があぶり出せると思います。1日のなかで自分が使える時間は?と考えると『意外に少ない』『意外に多い』,あるいは『思った以上に移動時間が多いな!』などがわかってきます。

もちろん全員ではありませんが,そこから『いかに有効に使うか?』『いかに無駄を減らすか?』というように考えられるようになっていく学生もでてきます。これ,社会人にも有効だと思うんですけどね。

コツ3:全然時間がない場合!?

可視化してみた結果,『自分が使える時間が全然ない!』などとなってしまったらどうしましょう?

もしそんなふうになってしまったら,『移動などの隙間時間』や『学校の休憩時間』なども最大限活用しなければならないかもしれません。

『家に直接帰る』という選択より『塾の自習室で勉強してから帰る』という選択を取り入れる!など工夫が必要だということがわかります。

じつは『ワカル』だけでも重要なことです。まずは状況を掴まないと対策できません。多くの人はなんとなく雰囲気でわかっているだけなので,可視化することで『本当にヤバい』と思える人も出てきます。

私は,実際,面談では生徒とその保護者の方からヒアリングして,普段の生活を上の例のようにスケジュールに落とし込んでいます。そうすると,どれほど自分が時間を無駄にしていかるか?どれほど自分が忙しい生活を送っているか?がわかります。

『勉強時間が確保できない』=『自分の自由な時間も無くなっていく』ということです。

逆(?)にいえば,学生諸君にとってすれば,予定通りに終われば,この予定表を見せて堂々と自分の好きなように時間を使えますよね。保護者の方も余計な心配をしなくて済むわけです。

また,学校や模試の成績が出たときに,次の戦略を練る叩き台にもなります。

満足のいく結果が出たなら,それでOKですし,もし納得のいかない結果なら,改善を考えるきっかけになります。

ただ闇雲に『勉強時間を増やす!』などではなく『どこをどう改善すれば勉強時間を確保できるのか?』『時間があったのにうまくいかなったということはやり方・順番を改善する必要があるかも』と戦略的に考える習慣がついていくんですね。

注意:そもそも最初からそこまでのモチベーションがない場合ももちろんあるわけで,それはまた別の問題として考えなければいけません。

ぜひ参考にして納得いく計画を立ててください!

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