【a(n) / the】英語の冠詞【しっかり解説】

ENGLISH WORK

こんにちは。ライレイレイン オフィシャル の ちひろ です。

a(n), the, 無冠詞の使い分け,難しいですよね。a と the の違いについてしっかりと説明していきます。

a / an は不定詞冠詞,the は定冠詞という名前があります。どこまでいっても分かりづらい。ですが,冠詞がどう変化していくのかを一覧にしてみるとだいぶ理解できるようになりますよ。

今回はダウンロードはありません。

ポイントは3つ+1です。

  • a(n) の意味について
  • the の意味について
  • 少数複数 と 多数複数 について
  • おまけ: any について

では,1つずつ見ていきましょう。

a(n) の意味について

不定冠詞の a / an は ❶ 複数性 ❷ 任意性 と言われます。つまり,❶「たくさんある中から」❷「どれでもいいから1つ」ということです。

▼ここでは 1組 の話は避けます。実際には,a two pictures 「2枚1組の絵[写真]」という表現もあります。もちろん,受験英語で出会うことはほとんどないと思います。

a pen なら ❶「いま pen が複数本あって」❷「その中からどれでもいいから1本のペン」ということですね。複数性が重要です。

I have a pen. というときは,話し手の頭の中には「複数のペン」の中から「なんとなく今この1本のペンをもっている」という意識があるということになります。

the の意味について

次に,the です。

定冠詞 the は「2回目」というのが一般的ですね。でも,「共通理解」も併せて覚えた方がいいですね。話し手と聞き手 / 書き手と読み手が同じものを頭に浮かべられるモノ・コトthe で表現します。

これも講義でいつも言っていることですが…

たとえば,moon の意味は?

これ,「月」ではないですね。「衛星」です。「惑星」planet の周りを回っているやつです。地球人が共通理解を持つ「衛星」。だから,the moon と考えるワケです。

earth は,これだけで「地球」という意味もありますが,本来「土,土壌,大地」とかですね。聖歌では馴染みのある表現ですね。

From Middle English erthe, from 古期英語 eorþe (“earth, groundsoildry land”)

https://en.wiktionary.org/wiki/earth

地球人が共通理解を持つ「大地」。だから,the earth と考えるワケです。

他にもあります。park とか station にも通常 the がつきますが,みんな,共通理解が生まれているからです。

家族との会話。「公園,行ってきます」。言った方も言われた方も,通常は「最寄りの公園」をイメージすることが多いはずです。そのイメージが食い違ったときに,多くの場合,子どもは親に叱られるワケです。

また,Please tell me the way to the station. といったら,最寄りの駅への道ですよね。まさか3,4つ先の駅をイメージしながら道は教えないはずです。

少数複数 と 多数複数 について

最初にまとめると次のようになります。

前提:いま 10個のボール を考える。
 the balls: the+複数 共通理解のある複数のボール = 10個全部
     balls: 無冠詞+複数 多数の複数 = 6〜9個くらい
some balls: some+複数 少数の複数 = 2〜4個くらい
    a ball: a+単数 任意の単数 = 1個 

では,説明です。

たとえば,今ここにボールが 10個 あったとしましょう。その中からテキトーに1個選びましょう。

a ball  「(複数の中の)(テキトーに選んだ)1個」

次に,a ball を複数形にしましょう。

ふつうは,ここで balls と教わるのですが,複数にも「少なめ」と「多め」があります。そこで,「少なめ複数」を some で表現すると考えるワケですね。ぼくは,講義では「少数複数」と言っていますね。

some balls 「(複数の中の)(テキトーに選んだ)少なめの複数」

10個という複数の中から ○○○○○○○○○○
テキトーに選んだ    ○●○○●●○○○○ 
              ↑テキトーに選びました
少なめの複数(少数複数)。

では,次に,balls はどうでしょうか?共通理解の生まれない複数。先ほどと同じように考えてみましょう。

balls 「(複数の中の)(テキトーに選んだ)多めの複数」

10個という複数の中から ○○○○○○○○○○
テキトーに選んだ    ○●●●●○●○●● 
              ↑テキトーに選びました
多めの複数(多数複数)。

つまり,「全部」ではないけど「多数派」。だから,「一般論」で用いることが多いのです。「私は猫好きです」というのは I like a cat. ではなく I like cats. ですよね。

では,最後です。

the balls  「共通理解が生まれる複数のボール」=「全部」

つまり,誤解を恐れずにまとめると,次にようになります。

 a  → some →  ×  → the
1個 → 少数  → 多数 → 全部

おまけ:any「どんな…も」について

これだけで1記事になります。また別の記事にしようかと思いますが,ここにも載せておきます。

結論:any は1つの意味でOK。「どんな…も」

さて,よく耳にする「肯定文の any」。このフレーズ,自分は学生時代,あまり知りませんでした。

僕としては,なるべく any は1つの意味で行けるところまで行きたい。

「どんな…も」で肯定・否定・疑問,ほぼ行けるはずです。

肯定文
Anything OK.「どんなものでもOKです」

否定文
I don't have any brothers.「どんな兄弟もいません」=「1人も兄弟はいません」(▼ not ... any → no って聞いたことない!っていう中学生,増えましたね)

疑問文
Do you have any brothers?「どんな兄弟でもイイからいますか」=「兄弟いますか」

つまり,any は「存在が未知」の場面で使うものですよね。「持っているかどうか」の確認的なカンジ。疑問文で any を自由に使いこなせる学生ってすごく少ない印象を持ちます。このことを知って英文を読むとだいぶ読めるし,描けるようになると思います。ちなみに,some は「存在が既知」です。

だから,Would you like some water? みたいな聞き方になる,と考えることもできるわけです。

それでも,よく分からんという方は,やはり私の文字での伝え方が下手なんです。対面・映像の講義でお待ちしております。

最後に…

  問題を解いてみましょう。

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      あわせて 不可算名詞 もどうぞ。

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